鮮度管理

冷蔵庫が普及する以前の食品の鮮度管理は、難しかったと思う。
肉にしろ野菜にしろ食品になった時点で、腐敗との戦いが始まる。
食品加工の技術とは、食品保存の技術という側面もある。
鮮度管理とは、時間との戦いでもある。
時間までに何らかの処置をしないと、「全て」を失うのだ。
きわめてスリリングな構造をもつ。
時間稼ぎ、先延ばしといったことも最後の審判の時への抵抗という側面を持っている。
冷蔵庫から卵を取り出しながら思いついた。
思えば全ての問題は、「鮮度管理」の問題に尽きるのではないか。
腐ったものを捨て、新しいものと取り替える。
生き死にを見極める技術。
分離する技術。
除去し、分解し、再び環境に返す。
常に新しいものを見出し、古いものとタイミングよく入れ替える。
変な話だが、冷蔵庫の普及が、鮮度管理の技術を衰退させたという側面がある。
鮮度管理技術を、人でも組織でも街にでも、国でも地球でも適用できる普遍的技術にすべきだろう。