円売り介入

投機的な円高なら、円売り介入は効果がある。
しかし、金利差を反映した徐々に進行する円高となると、いくら円売り介入しても焼け石に水どころか、焚き火にガソリンだ。
市場との対話、市場への適切なメッセージ、市場の催促といった擬人的な修辞が花盛りだが、一体誰と話しているつもりなのだろう?
政府の後手後手の対応とか市場とのコミュニケーション能力とかいっているが、言っている本人にも意味不明な言葉で、政策批判をしても仕方が無かろうと思う。
個人的には、株の水準からみて、今回の円高局面で急激に83円台をつけたあたりで、「介入」すれば、それなりに「効果」はあったのかなという気はする。
介入とはスピード調整でしかなく、「時間」稼ぎをしているうちに、各企業は、円高対応を既にしていなくてはならない。
そのため、日本の雇用が失われようが、それは「日本」の政治問題ではあっても、「企業」の問題ではない。
企業とは本来、国境無きものなのだから。