2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

嫉妬について18

一応、「嫉妬」の歴史的起源を徳川幕府初期の武断政治から文治政治への移行期に位置づけている。 天下が平定されるともはや「武力」による「国盗り」という仕事はなくなり、「暴力装置」としての武士には、「仕事」がない。 つまり失業する。 残る仕事は、退屈…

嫉妬について17

最初の嫉妬を無事通過すると、次に来るのが世代間の嫉妬である。年寄りの若いもんに対する嫉妬あるいは羨望であるいは、若いもんの年寄りに対する嫉妬あるいは羨望である。 この世代間の嫉妬は、同世代の「嫉妬」を中和させ「団結」や「友情」を生む基盤になる…

嫉妬について16

典型的嫉妬というか標準的嫉妬あるいは、最初の嫉妬とでも言うべきものがある。 一人っ子には、経験できない。 つまり、アベルとカインだ。 「カインは収穫物を、アベルは肥えた羊の初子を捧げたが、神はアベルの供物に目を留めたもののカインの供物は無視し…

嫉妬について15

嫉妬はかくも自然で強力なエネルギーなのだから、その制御さえ間違わなければ、創造的なエネルギーに変換できそうな気がしてくる。 嫉妬は容易に、野心を持続させたり、観察眼を磨くことにプラスに作用するだろう。 嫉妬は努力家を生む。 嫉妬はより強力な嫉…

嫉妬について14

最近、彼氏が冷たい気がする。 メールの返事が返ってこない。 デートしていても、以前ほど会話が盛り上がらない。 どうしたらいいでしょう!? という悩みを抱えている若い女に、カウンセラーがアドバイスする。 彼の「嫉妬」をちょっと刺激するといいかもし…

嫉妬について13

正当な所有者とは誰か? その所有の由来が不正なものであれば、通常そのものの所有権はない。 例えば、盗品は、それを盗んだ人のものではない。 当然、盗品を誰か別の人が盗んだとしても罪には問われない。 罪に問われるも何も、法的に保護すべき被害という…

嫉妬について12

天下統一され、家康、家忠、家光と武断政治が続く。 基本的に、幕府の都合「のみ」で多くの大名が整理される。 落ち度などない。 これにより、浪人が、満ち溢れる。 この浪人の不満を背景に、由比正雪が乱を計画し、失敗する。 こうした状況にやっと危機を感…

嫉妬について11

人が欲しがるものには、いろいろある。 人が欲しがるものを「所有」している人に、我々は嫉妬する。 嫉妬は、他人が「所有」することが、正しくないと感じる。 自分が所有することこそ正しいと感じる。 しかも、自分の「所有」を嫉妬により「同様に」侵害さ…

嫉妬について10

力による支配から法による支配へと移行すると「嫉妬」は「男」から「女」へと移行する。昼から夜へと移行する。陽から陰へと移行する。 のかな? 男が女性化する。 武者がオジャル化する。 「嫉妬」は法的な公平とか妥当に間接的に働きかけるようになる。 嫉…

嫉妬について9

嫉妬を稀少な財をめぐる競争と定義する。 稀少な財の争奪を巡っての「仁義なき戦い」をいかに組織し、耐えられるものにするかという技術開発が要請される。 嫉妬のもつ破壊力は、そのエネルギーを制御する必要性を生む。 豊かであれば、群れる必要性はない。…

嫉妬について8

観察力といえば、人の持つ本来の能力と思われるだろう。 しかし、人は何でもかんでも観察するわけではない。 その対象に対する関心とその持続が必要だ。 持続は経時変化だから当然その対象への観察者の強い拘束を前提にする。また、関心は価値付けを前提にす…

嫉妬について7

偉そうにしない人、腰の低い人という人がいる。 目立たないようにしているのだ。 何故か? 嫉妬されないようにあらかじめバリヤーを張っている。 予防線を張っているといえる。 嫉妬のもたらす副産物だろう。 逆に、大げさに自慢して嫉妬を過剰に煽ることに…

嫉妬について6

自分に自信のある人、誰にも負けないというものを持っている人は「嫉妬」から自由だといわれている。 確かにそう見える。 しかしこれは明らかに言いすぎで、嫉妬しそうになった時に逃げ込めるシェルターがあるぐらいのことでしかないし、そもそもの誰にも負…

嫉妬について5

スピノザは、「エチカ」で全ての感情を基本的な感情の組み合わせとして体系的に説明する。 この説明を理解するプロセス自体に一種のカタルシス効果があり、「エチカ」を読む前と読んだ後では、「感情」に関して少し「距離」を取れるようになる。 感情に流さ…

嫉妬について4

世の中には、嫉妬のみに基づいて「全て」を判断しているとしか理解しようがない人々がいる。 全ての「感情生活」が「嫉妬」一色に何重にも塗り固められているのだ。 極めて感情のスペクトルが狭いといわざるを得ない。 全ては、嫉妬にはじまり嫉妬に終わる。…

嫉妬について3

小熊が銃殺される映像がニュース画面に流れる。 最初の感想は、「かわいそうに」だ。 合理的な説明を聞けば、最初の感想は薄められるとはいえやはり「熊」を殺すのはヒドイなと思ってしまう。 これは、環境保護といったエコな視点からくるものではない。 熊…

嫉妬について2

アンチエイジングといえば聞こえは良いが、これって中身は、「嫉妬」以外のなにものでもない。 若かった「自分」への嫉妬。 シワや髪や歯や人気や精力やらが標的にされる。 こんなはずではなかったという悲しみ。 以前所有していた「若さという領土」の失地…

嫉妬について1

何の正当な権利も保持しない者が、あたかもそうした権利なり権限があるかのように「反応」する場合がある。 わかりやすいのが、アイドルの恋愛とか結婚に関するファンの反応だ。 勿論、嫉妬というよりは妬みとかやっかみでしかない。 しかし、この感情はとて…

嫉妬深い桜

近くのスーパーマーケットに出かけた。 駐車場を歩いていると何かいつもと「当たり」が違う。 スベル感じがするのだ。 「あれ!桜の木を切ったのか!」 と気がつく。 桜の木とはいえ、最初は小さな苗木を植えただけのものだった。 確かに最近少し大きくなっ…

メドベージェフ、国後島に降り立つ

経済的な成功に自信を深めた中国とロシアが、日本に領土的な攻勢を強める。 日本の未来をこの二つの「新興国」抜きに描くことは、できない。 両国の政権を日本にとって都合のいい「傀儡」に「誘導」できる可能性は、小さい。 これが日本の抱える悩ましい問題…