嫉妬について16

典型的嫉妬というか標準的嫉妬あるいは、最初の嫉妬とでも言うべきものがある。
一人っ子には、経験できない。
つまり、アベルとカインだ。
「カインは収穫物を、アベルは肥えた羊の初子を捧げたが、神はアベルの供物に目を留めたもののカインの供物は無視した」wikより
カインは、嫉妬にかられアベルを殺す。
兄弟は、平等あるいは同等あるいは同類あるいは同格とみなせば、ほぼ必然的に「嫉妬」は生産される。
分配が平等に行われることは、稀だし分配が平等に行われることが「嫉妬」への最適な処方ということもない。
カインの嫉妬殺人は、「神」への裏切りでもあれば、「神」への抗議である。
カインは楽園を追放される。
神は、なぜ「えこひいき」をしたのだろうか?
不思議だが、さらに不思議なのは、神は、復讐を恐れるカインを罰するだけでなく、保護したことだ。
カインを殺させないように刻印する。
まるで、嫉妬の原因が神にもあったことを「認めている」ことを暗示している。
神は「嫉妬」に対して「無力」であるかのように振舞う。
神の国の「圏外」で嫉妬は生まれるからだろう。

嫉妬は「異神」に属する。