再びケージ再論

当時も今もジョン・ケージの無音の音楽に対して、多くの反応が寄せられた。
多くの人は食べるものではないと吐き出したと思う。
食べたフリをして、結局吐き出した人も大勢いた。
フリをしただけ、まだましではある。
少数ながら何とか食べようとし、消化しようとした人もいた。
坂本龍一の最近の本で最初の自伝「音楽は自由にする」(坂本本人は彼らしくこの自伝のタイトルを「ああいやだ」にしたかったようだが)。
ジョン・ケージの話がある。
彼がいかに影響されたかよく分かる。
ケージはおおむね後の世代には、好意的に受け入れられたが、多くの同世代人には、無視されたとみていい。
当然といえば、当然である。
最初に「納豆」を食べるようなものである。
普通、腐っていると捨てるだろう。
私は、そうした。