香典

レストランで、食事をしていた。
隣の席に三人の人がすわっていた。
その中の一人の若い女には見覚えがあった。
相手の方は、こちらの存在に気が付いていない。
すぐ声をかけようか後にしようか迷っていた。
食事も終わりになりかけた時、思い切ってその女に声をかける。
女は最初私が誰だか気が付かないようだったが、気が付いて笑い返してきた。
そして、しどろもどろに話し始めた。
途中で話が飛ぶし、涙が流れ、言葉につまりさらに、別な老婆が話を引き取って私に説明しようとする。
ほとんど理解できない。
結局、この話から私が受け取ったのは、誰か女の身内が死んだらんじゃないかということ。
私は、多分香典をもって、葬式に出席したほうがよさそうだということだった。
誰が死んだのかもわからないまま、葬式に出かけている自分がいる。
香典を渡すために、行列の最後尾に並ぶ。
私は、自分の友人を探し連名で香典を渡すことになっていた。
しかし、この友人とははぐれてしまう。
手元にには、しわくちゃの5000円しかない。
むき出しで渡すわけにもいかないと困っている。
そこで、この行列をはずれ、宴会の方に移動する。
そこには、例の若い女もいた。
香典を入れるなんとかという袋がなくって、困ったよとかいい訳をする。
女は、「へー」といって微笑んでいる。
あれ、葬式じゃなかったのかなと思い、そそっかしいのでまた勘違いしたのかなと反省している。
雰囲気だけで、はっきりさせないまま、周りに流されて、調子を合わせ、結局つじつまが合わなくなって、どうにもならなくなっている自分がいる。
当人にとっては、悲劇かもしれないが、どう考えても喜劇だ。
ちなみに、この若い女性は、モーエンさん流にいうと、最近頻出する私のヘルパーの一人です。
夜な夜な出てきて、私にドッキリを仕掛けているとしか思えない。
囚われている私を救うため「感情教育」してくれているらしい。
夢ってそういうものだったのか?