実力主義と形式主義

「下克上」を引き合いに出すまでもなく、不安定で戦乱に明け暮れる時代は、「実力主義」だ。
ルールがあるわけではないので、暗殺、毒殺、謀略も実力の内だ。
一方、平和な時代は、「世襲制」がその典型だが形式主義で、その実力より形式的な条件を満たせば、どんな「ヤツ」でもOKだ。
我々の住む世界は、勿論このミクスチャーではあるが、身分制とでも言うべきものがいくばくか「制限」されているので、下克上的な要素も加味しつつ、「秩序」も大事というところだろう。
そう簡単に「自由」だの「平等」などが実現されていると思うほど、ナイーブな人はそう多くないだろう。
実力主義を信奉するなら、その不安定も受け入れざるを得ない。
形式主義を信奉するなら、その不合理を受け入れざるを得ない。
両方イイトコドリは、「ない」と知るべきだろう。