日本市場

 AKB48における「選挙権」は、通常プロデューサーが独占している「裁量権」をファンの投票に委ねる仕組みと差し当たりいえる。
これは、プロデューサーが安定してアイドルを生産できなくなっている事態に対応している。
この娘は「アタルハズ」と思っても「ハズレル」ことが多くなっているのだ。
投資効率がわるいのだ。
しかも、恒常化している。
投資資金の回収さえ、容易ではない。
アイドル市場も「飽和」し、つまり需要に対して供給過剰状態になっている。
プロデューサーの「才能」や「手腕」などではこの難局は切り抜けられない事態が起こっている。
そこで、才能の枯渇したプロデューサーが考えたのが、この「選挙」である。
プロデューサーの独占しているテレビへの出演権を「ファン」の選択に委ねようということだ。
裁判員制度なんかよりはるかに面白い仕組みといえる。
プロデューサーが見出した「新人」を手間ひまかけて育て、それを売り出すというプロセスをこの「選挙」制度に置き換えようということだ。
プロデューサー独裁体制が制限的な普通選挙にとって変ろうとしている。
アイドル生産はより民主的になったのだろうか?