嫉妬について18

一応、「嫉妬」の歴史的起源を徳川幕府初期の武断政治から文治政治への移行期に位置づけている。
天下が平定されるともはや「武力」による「国盗り」という仕事はなくなり、「暴力装置」としての武士には、「仕事」がない。
つまり失業する。
残る仕事は、退屈な「デスクワーク」しかない。
しかし、戦国時代が終わったわけではない。
戦国時代は、「大奥」へとその場所を移動した。
いかに「上様」の歓心を買い、お世継ぎを残すかが最大の問題なのだ。
嫉妬渦巻く「大奥」で、最大の武器は「美」であり「才」である。
身分の低いものでも才があり、美貌にめぐまれれば、のし上がるチャンスはあったのだ。
明らかに、「下克上」である。
女の化粧が、「武装」である由縁である。