続アメリカと銃

ヨガにクンバカといわれる呼吸法がある。吸って、止めて、吸うを繰り返すものだ。呼吸は、血中の二酸化炭素濃度を体内センサーで検出しながら調整されている。二酸化炭素の濃度が上がると、呼吸は深くなると同時に速くなる。短い時間に多くの酸素を得ようと調整するのだ。普通の呼吸では、500mlぐらいの呼吸量しかない。深呼吸するとこの六倍ぐらいになる。
クンバカでは、深く呼吸をすると同時に呼吸の時間は長くして、「回数」は少なくすることが目標になる。
よくマラソンランナーズハイというトランス状態では、慢性的な二酸化炭素濃度の上昇に対して深くゆっくりとした呼吸になっていると考えられる。
通常の人では、マラソンはただ苦しいだけだろうが、マラソンランナーは呼吸をヨガの修行僧のように深く長くすることに成功していると考えられる。
ところで、クンバカでは、呼吸を止める。呼吸を意識的に止めることにより、血中の二酸化炭素濃度は増す。ある閾値以上になると深く息をするモードに変わる。そのまま放っておくとただぜいぜいとしながら落ち着きを取り戻し通常モードに切り替わるだけだろう。
クンバカがめざしているのは、呼吸を深く維持したまま、呼吸自体はゆっくりにすることなので、深く息をした分、長く息を止めて、また息をゆっくり吐く。すると時間が長いのでその間に二酸化炭素濃度は上昇し、再び深い呼吸をするモードが継続する。この繰り返しがクンバカという呼吸法だ。つまり、微妙な血中二酸化炭素濃度を維持し続けるように訓練すればよい。
ちょっとやってみたが、確かに頭がボーとしてくるし、何となく気持ちがいい。
血中二酸化炭素濃度を簡便に検出できるセンサがあれば、この呼吸法をマスターするのは、さらに簡単になるだろう。
窒息感と呼吸の深度を目安にクンバカをし、意識状態をチェックしながら、「美味しい空気」を作り出す感覚を身につければいいのだろう。
理屈はこれだけだと思う。

後は実践あるのみ!