続アメリカと銃

将棋電王戦で、A級棋士三浦弘行八段が将棋ソフト「GPS」将棋に敗れた。プロ将棋界は、ショックを隠し切れないようだ。三浦は、「相手が強かった。負けたのはしょうがない」とコメントしたようだ。
ついに、この瞬間が来てしまったという感慨はある。
遥かに弱い将棋ソフトでやっても、アマチュアには結構手ごわいなと思ったことがある。
私も以前将棋ソフトと対戦して、なかなか勝てず悔しい思いをした。その時は、名人の採用している序盤のコマ組みを真似て差し始めると割と簡単に勝てた。また、コンピューターはパターンに強いので、逆に奇襲作戦で攻めると簡単に勝てるので、実はまだ人間の方が強いと何となく思っていた。
ところが、負けた。
ここから一挙に、「人間の脳は将棋が実は苦手」と結論したくなる。プロ棋士は、閃きや創造性の塊で、将棋ファンには神様にも等しい憧れの存在だ。そう信じていた。今でもそう信じている。
ところが、この神秘性が私の中で動揺し始めた。
将棋ソフトのアルゴリズムがどうなっているのか分からないが、そのアルゴリズムがプロ棋士の脳のアルゴリズムを上回っていたことは確かな事に思える。
人間が捨て安い手筋を丹念に検討し、勝ちすじを見出したとしか思えない。
将棋ソフト同士の対決へと将棋の最前線が移動した印象を受けてしまう。
一番面白い展開としては、プロ棋士と将棋ソフトが協力して、ダブルス形式で、最高レベルの将棋を実現することだろう。プロ棋士とコンピューターで次の一手を出しあい、最善手を選択するのだ。人間が得意な手筋もあるだろうし、コンピューターにしか見いだせない手筋もあるだろう。
面白くなってきた。
コンピューターは人間が作ったのではあるが、人間を超えた。
人間は神が創造したのだが、神を超えるのだろうか?

抜群に神学的な疑問だ。