イチロー

神が降りてくる瞬間を見た。
WBCでのイチローのことだ。
戦術、戦略、天才、努力、運、人によって色々言う。
しかし、当人が、「神」といったのだから、素直に信じたいと思う。
死後探索マニュアルの立場からいって、興味深いのは、イチローがあの10回の打席に「実況中継」をしながら臨んだ点だ。
「実況中継」とは、いまここにあるものを言葉に置き換えること「だけ」することだ。
他の事は、しない。
そして、刻々かわる現実を中継し続ける。
さらに、彼がファオルボールを打ちながら、神の降臨を「待って」いた点だ。
イチローは、努力、自力の人ではある。
それが、気負いになり、不振に苦しんだ。
しかし、この打席は、違ったというか、いつものイチローに戻った。
彼は、神官として儀式に臨んだように見える。
彼ほどの神官でも、10回の内3回しか降臨しないというのは、面白い。