面倒だが難しくない、単純だが難しい

面倒だが難しくないものといえば、こんがらがったロープとかを解きほぐす場合そんな気がする。地道に端から解いていけば、時間さえかければ、何とかなる。ジグゾーパズルもそうかな。腕力の世界だ。
単純だが、難しいといえば、知恵の輪かな。
ゴールはすぐそこに見えるのに、透明な壁に阻まれ、経験が経験として積み重ならないので、同じことを反復しているとしか思えない。
ムナシイと感じやすい。
徒労。
しかし、やり遂げた達成感から考えると、知恵の輪の方がはるかに大きいと思う。
別な例を考える。
山登りは、一歩ずつ上ればやがて山頂に到達できる。
一方、自転車に初めて乗れるようになる場合、知恵の輪タイプの難しさに出くわす。
自転車に乗れるようになった達成感は、格別だろう。

根性の無い人には、どちらも生きることの困難としてしか感じられないと思う。

人生における二つの努力のありようとも思える。
ここでひとつ思いついたことがある。
数学は、記憶科目であるという人がいる。
問題を見て、すぐ解答をみて、覚える。たくさん解答を覚えれば、それだけ数学のテストで得点が上がるという。何事も経験の量ということだ。
一方、基礎的事項の学習がおわれば、問題を見て、自力でひたすら考えるという勉強法もある。
どちらが、数学者向きであるかは、明白だろう。
徒労にかぎりなく近い経験を愚かなこととして「反省」するのは、控えた方がよさそうだ。