石油ショック
今回の世界同時不況は、世界に何をもたらすのか?
ほぼ同程度のショックだった石油ショックが何をもたらしたかによって、考えるのがよさそうだ。
石油ショックで重要なのは、石油が値上がりし、それにより製造コストが上昇したことだ。
これにより、技術的には脱石油という研究テーマが脚光をあびることになる。
資源の無い国ほどその危機感が大きかった。
日本がその豊富な人的資源を原子力や代替エネルギーの研究に費やすきっかけになった。
現在、環境技術である程度の蓄積を持ったのは、逆説的ではあるが日本が持たざる国であったせいなのだ。
さらにいえば、バブルの崩壊により、日本の銀行がその貸付姿勢を慎重にしたことが、現在比較的健全な金融を維持している理由だろう。
個人的な危機は、個人を簡単に破滅させる。
家族の危機も家族を簡単に崩壊させる。
しかし、国家的危機となるとそうでもない場合がある。
つまり危機がチャンスにかわるためには、ある種の規模というか拡がりと時間が必要なのだろう。
その拡がりと時間のなかで、危機は創造の源となる。
第二次世界大戦の負けがもたらしたものも、後悔したり、反省したり、謝罪したりすることばかりではない。
危機がもたらす、精神的、経済的空白をマイナスとしか感じれないとすれば、それは既得権に固執している証拠だ。
「ムカシハヨカッタ。」
である。
今回の不況が数十年後に何をもたらすのか愉しみだ。