沖縄問題

沖縄問題というものは、存在しない。
日本の安全保障の問題がまずあり、想定される脅威に対する対抗手段の選択(日米安保のこと)の問題があり、それを具体化する段階での場所と時期の問題がある。
想定される脅威に対する軍事技術的選択として、米軍基地は沖縄に集中することになる。
これが、いわゆる沖縄問題だ。
表面的なこうした話と別に、アメリカは日本と戦争をした国であるという重い事実がある。
アメリカ軍は、まず第一にアメリカの潜在的敵としての日本の再軍備化を阻止する必要があるのだ。
沖縄は、まず日本本土を狙える絶好のロケーションでもある。

日米安保の見直しは、日本の反米感情が顕在化しつつあるということ、日本がアメリカの潜在的な敵として想定しなくてはならないということを表してしまう。
在ってはならないことの筆頭である。
こうした軍事的状況の中で、日本としてはどうすればいいのか?
ひとつの答えは、表面的には日米安保堅持と言いながら、仮想敵との軍事的緊張を煽り、国民の国防意識を高揚させ、再軍備化を進めることだ。
この再軍備化は、現在の駐留アメリカ軍と同規模まで拡大する。
再軍備化が最高、最強の不況対策であることは言うまでもない。

そして、この仮想敵との軍事的緊張をなんらかの形で、現在の水準まで減少させる。
自分で煽ったのだから、自分で消せるだろう。

すると、アメリカ軍の日本駐留が、この仮想敵との関係で表向き必要なくなる。
この段階で、日本としては、自前で十分「自衛」可能な軍事力を保有しているので、日本の駐留米軍には、撤退をしてもらう口実ができる。

この戦略の真の目的は、アメリカ軍を日本から撤退させることである。
間違っても、表面的な仮想敵との火遊びを「本気」にすることではない。
日本の安全保障にとって、「真に」脅威なのは「アメリカ」であるという洞察を前提にした戦略である。

なんとなく、思いついた。