エリート家庭の悲劇?

市橋容疑者は、父が外科医、母は歯科医というエリート家庭の長男として育った。優しく、明るく、運動も勉強も出来たようだ。ただ、大学受験で医学部受験に失敗し、浪人を重ねてしまう。園芸学部に進学するが、思うような就職はなかったようだ。この間、親は子供に仕送りをし続けている。
これほどではないにしても、似たような話が続く。
前半の明るさと後半の暗さがなんとも皮肉な対比を生む。

マスコミ的には、エリートの没落というのは大衆娯楽だから、別にどうということはない。
ちょうど、酒井法子の後釜を探していたのだから、喰らいついていくだけのことだ。
「商売、商売」
熱心なことだ。
これはいつものことなので、「下品」というだけのことである。

私が確信したのは、子供が「自立」しようとするとき、必ずしも経済的、社会的、文化的、愛情的に恵まれた家庭が優位ではないという事実だ。
恵まれていればいるほど、「自立」は飛躍的に難しくなる。
上手くいえないが、指数関数的に難しくなると思う。
恵まれた家庭を社会的には「救済」する必要があるとマジで思うが、その恵まれた「家庭」がこの「救済」の最大の障害にもなるのだ。
「金持ち」に同情はしないが、子供に「罪」はないと思う。
恵まれた「家庭」という「幼児虐待」が存在する。
問題の存在自体が抹消されやすいというところが、何とも微妙だ。