トレーダー

私は、少しトレードをやる。
他にちゃんとした実業もあるので、トレードは片手間にやる。
オプションとか先物が主だが、現物もやったことがある。
損もしたし、得もした。
それで少し分かったことがある。
つまり、「秘密」についてだ。
儲けるには、ノウハウがある。
いつ、どのタイミングで、どういうポジションをとり、どのタイミングで利益を確定するかだ。
これはそれぞれのトレーダーにとっての「秘密」を形成する。
「秘密」は、「コツ」でもあれば、「発明」でもあり、「鍛錬」でもある。
儲かるポジションとは、売って儲かる「商品」でもある。

普通このノウハウを他人に「タダ」で教えることなどあり得ない。
また、「有料」で教える場合はあり得るが、教えても自分に実害のない「範囲」に限られるとみるべきだ。

苦労して見出したポジションは、人に気付かれない限り「お金」のなる木と同じである。

人が増えれば、それだけ自分の取り分は少なくなるのだから当然だ。

また、自分の生活に困っているわけではないので、人のお金を預かって運用して儲けさせてあげようということも例外的な事態だ。
それほどお人よしでもないし、それが相手にとっていいことである可能性はさらに低い。

しかし、この場合「秘密」さえ漏れる心配がなければ、他人のお金を運用して儲け、自分の取り分と相手の取り分を半分半分にぐらいにするというなら中には考える人もいるかもしれない。

しかし、通常儲けるトレーダーは、セキュリティー上自分がトレーダーであること自体を隠そうとする。
普通、話題にもしないので、誰も彼のことを精しく知らない。
当然だろう。

もし、あなたがお金があり、誰かに運用して欲しいと思ったら、「秘密」をもっている「トレーダー」に接触し、元本も利益の保証もなく大金を預ける度胸がいることになる。

なぜ度胸がいるかというと、「秘密」を持っている「トレーダー」と「秘密」など持ち合わせないが「秘密」をもっているフリをする自称「トレーダー」を「区別」する情報が少なく、その判断自体がまた「秘密」のベールに包まれているからだ。

結局、「秘密」を持っているトレーダー同士だけが、「臭い」で相手をかぎ分けることが出来るということになる。

一応、私は「秘密」の何たるかを知っているので、こいつは「まとも」、こいつは「営業」、こいつは「ハッタリ」と区別できる。

全部一緒にして「危ない」「危ない」というヤツもいる。
無知ゆえだが、防衛手段としては知ったかぶりよりはるかにマシだと思う。

金融技術というのは、軍事技術と同じく「秘密」になりやすい。

技術のもつ暗黒面といえなくもない。

金と命に係わる技術は、「秘密」になりやすい。

世界平和と富の最適配分という課題にとって、最重要問題だと思う。

特許制度の「限界」としてこの「秘密」が存在していると思う。

面白いことだと思っている。