「公共投資は景気に即効性があり、子供手当ては貯蓄に回る」という神話。

まず、今のように政治が大きく変わろうとする時期に、「公共投資は不況対策として即効性があり、子供手当ては、将来不安なので貯金に回るので不況対策としては無効だという神話」をふりかざすのは、どうだろう?
この神話は、「過去の事実」ではある。
過去の「成功体験」のようなものだ。
しかし、今でもそれが有効であるかのごとく、論は張るのは無理がある。
消費税を上げるべきだと主張する時にも同じ反論に出くわす。
消費税を上げると、デフレがひどくなりますよ。
日本は沈没するとか焼け野原になるとかいって脅してくる。
しかし、別の有力なシナリオも存在する。
消費税を上げることにより、子供手当ての安定財源を確保すれば、国民は、自分の力で作り上げた「安心」を手に入れる。
自分の将来の安心を自分の犠牲のもとに作り上げたという事実は、「自信」へとつながる。
これは、景気回復によって、法人税による歳入増が国民に「給付」されるという従来のタナボタ式の「安心」ではない。
こうした自力で作り上げた制度を恒久化するという経験のもつ、経済的波及効果は、「未知」だが、「未知」だからといって、過少評価すべきではない。
事実、子供手当てが民主により恒久化されることが決定的になるので、子供手当ては、燃費のいい「軽自動車」のローンや「文化消費」へと使われるだろう。
それを目指した新製品開発も熱を帯びる。
消費税を上げ、それを子供手当てに充当すれば、将来への不安が減少するというのは、明白で、それほどありえない楽観的シナリオではない。
とにかく、「神話」を振りかざして、もっともらしい話をする前に、別のシナリオを想像する想像力がなさ過ぎる。