本当に鳩山は「迷走」しているのか?

 マスコミによれば、決まり文句のように、鳩山首相の「迷走」や「ブレ」や「暴君小沢」の話になる。
 これでは、麻生と同じだという方向に話をもっていきたいだけのようだ。
 要するに、民主は自民「末期」と同じということにすると「受ける」という感触を得ているものと思われる。
 しかし、今回の普天間に関して「迷走」の一語で片付けられる話では、まったくない。
ナイーブ過ぎる。
 むしろ、「いろいろ小出しに言ってみて、相手の様子をみる」戦略ということだろう。
 とにかく、ひどく微妙なのだ。
 地雷の埋め込まれた夜の戦場を進まねばならないとすると、普通「迷走」しませんか?
 同じことは、中国にもアメリカにもいえる。
 中国が少し先が見える程度で、とても優位とはいえない。
 国同士の会話は、理論ではなく、「実弾」によってなされている。
 まず、ちょっと撃ってみて、どの程度影響があるかを予測して、次の手を考えるしかない。
 迷走して当然、ブレて当然、小沢に影響されて当然なのだ。
 別に民主を擁護しているわけではない。
 今誰がやろうと「そうなる」しかない歴史的状況だといいたいだけだ。
 地雷を踏んで、よろこぶヤツなどこの世にいない。
 視覚のない世界では、触覚の方が、信頼できるということだろう。
 「深海魚」のようなものだ。