戦略的互恵関係って何?

日中指導部で共通している立場は、「戦略的互恵関係」である。
政治的「正しさ」を主張するよりは、経済的利害を優先するということだ。
もっと砕けて言えば、「損か得かを最優先で考えよう」という申し合わせだ。
この立場の人たちは、日中関係既得権益を確保している人たちである。
しかし、当然この関係から利益を引き出せない人たち、あるいは排除されている人たちは、この既得権益を政治的「正しさ」のもとに糾弾することになる。
戦略的互恵関係」という立場は、政治的には「弱腰」であり、説得力が無い極めて正当化しにくい立場でもある。
だって、「損ならやる価値無し」という判断ほどみっともなく、一貫性もなく、立場ともいえない立場からだ。
戦略的互恵関係」という一見いかめしい言葉が、その実中身のない言葉であるということを示している。
日中の既得権益の「配分」が、今回の尖閣の真の問題であるといえる。
戦略的互恵関係」をレトリックではなく、真の政治思想として練り上げる必要性があると思う。