嫉妬について4

世の中には、嫉妬のみに基づいて「全て」を判断しているとしか理解しようがない人々がいる。
全ての「感情生活」が「嫉妬」一色に何重にも塗り固められているのだ。
極めて感情のスペクトルが狭いといわざるを得ない。
全ては、嫉妬にはじまり嫉妬に終わる。
勿論、子供っぽいのもあれば、洗練されていてちょっと目にはそれとは気が付きにくいものまである。
悲しみ、苛立ち、嘆き、怒り、そして喜びまでもが「嫉妬」に起因している。
なんとも単独でこの磁場から抜け出すのは、不可能だろうと予想したくなるほどだ。
感情に「嫉妬」という「シッポ」が纏わり付いているといえる。
勿論、猿の「シッポ」だ。
劣等感の強い人はこの範疇に入るが、一見その逆のように見える人、例えば人のアラには目をつむり、長所を見出す人や、人の幸福を我がことのように喜べる人や、自足している人にもやはりこの「シッポ」は付いて回っていると思う。
嫉妬を克服するなどと安易にいうべきではない。
嫉妬を克服しようとすること自体が、嫉妬に鼓舞されているからだし、嫉妬の克服がより大きな嫉妬を生み出しもするからだ。