嫉妬について5

スピノザは、「エチカ」で全ての感情を基本的な感情の組み合わせとして体系的に説明する。
この説明を理解するプロセス自体に一種のカタルシス効果があり、「エチカ」を読む前と読んだ後では、「感情」に関して少し「距離」を取れるようになる。
感情に流されにくくなる。
猿に猿の自覚が生まれるのだ。
確かに俺は猿だ。自分が猿だという自覚以外は。という具合。
だからといって、スピノザのように「神」への道が見えてくるわけではない。
そこで、全ての感情を「嫉妬」に還元するという無謀な試みをする気になった。
「嫉妬」は、全ての感情の「種」であり「核」を形成していると考える。
つまり全ての「感情」に「嫉妬」が嫉妬しているかのようにお話が進む。
嫉妬は、全ての感情の中で一番「偉い」かのようにお話が進む予定だ。
猿を自覚した猿が、嫉妬に狂うことにより「人」になる。