嫉妬について12

天下統一され、家康、家忠、家光と武断政治が続く。
基本的に、幕府の都合「のみ」で多くの大名が整理される。
落ち度などない。
これにより、浪人が、満ち溢れる。
この浪人の不満を背景に、由比正雪が乱を計画し、失敗する。
こうした状況にやっと危機を感じた幕府はこれ以後、大きく文治政治に舵を切る。
めでたしめでたし。
平和になってよかったね。
とはならない。
この時代の変化は、嫉妬の歴史にも一大変化をもたらす。
嫉妬の本質は、何も変わらないのだが、その戦略や戦術が大きく変化したのだ。
戦国武将に代わって、柳沢吉保田沼意次が活躍する時代になる。
もはや軍事的才が重要ではないことは明らかだ。
権力者にいかに媚、へつらい、信頼を得て、骨抜きにして実権を握る才こそ必要とされる。
嫉妬は、間接的に、女性的、経済的、文化的、装飾的になる。
多様になり複雑になり分りにくくなる。
一言で言えば、「蜘蛛」になる。