嫉妬について26

「私のために喧嘩はやめて!」
女が叫ぶ。
若い男達は、女を巡って取っ組み合いの喧嘩を始めたからだ。
「腕力」に勝るものが、女を手に入れる資格があると彼らは信じている。
この目の前の男に腕力で競り勝てば、勝者には戦利品として「女」が与えられると信じている。
少年はみんなそう考える。
少年のような大人もそう考える。
老人も心ではそう思っている。
ここで、女はいきなりルールを変更する。
「喧嘩」はやめて。
女が「平和」を愛するからだろうか。
「違う」と思う。
「優男」にもチャンスが与えられたと考えるべきだろう。