嫉妬について33

近代を特徴付けるやり方にはいろいろあるだろうが、とりあえず、身分制の廃止だろう。
建前としての「平等」だ。
普通選挙を通じての参政権がその実質だ。
それから、「自由」というのも重要だ。
建前としての経済、身体、表現の自由という奴。
これにより、身分制や特権のタガが緩んだのだ。
あらゆる領域で、市場が整備され、そこに誰もが「平等」に参加でき、「自由」競争により「勝負」を決めるわけだ。
これにより、封建的な身分に基づいた「嫉妬」や「特権」に基づく「嫉妬」は一応消滅したことになる。
「嫉妬」は、解消され、進歩し理性的な近代社会が成立した。
めでたしめでたしとなったのだろうか?
むしろ、「自由」と「平等」が新たな「嫉妬」のタイプを大量生産し、より悪性になったことは、疑いないように思える。
嫉妬もまた「近代化」されたのだ。