福島原発で働く作業員に、本当の「仕事」はあるのか?

文字通り命がけの作業が続いている。
しかし、注水された水が、圧力容器の穴、格納容器の穴からもれ続けている。
そして、作業員達は、この汚染水の移送を行っている。
汚染水の移送が完了したら、持続可能な冷却装置を設置することが次の仕事ということになっている。
しかし、その前に圧力容器の穴を塞ぎ、さらに格納容器の穴を塞がないと冷却装置の設置はまるで意味がない。
かりに、この冷却装置が作動しても注水した水が漏れることには、変わらないのだ。
つまり、穴を塞がない限り、冷却装置の設置には全く意味がないということになる。
現場以外で「閉鎖ループの冷却系の確立」と口で言うのはたやすい。
しかし、それが出来ていないから「今」がある。
この一見簡単そうな「穴」を見つけ、塞ぐという作業が「不可能」あるいは「即死」の危険を伴う作業であるのではないか?
その間に、一号炉では、原子炉圧力が上昇している。
再臨界である可能性が高い。
水蒸気爆発は必至だ。
この前提で考えると、作業員は穴を塞ぐという段階で「壁」にぶち当たることになる。
冷却系の復旧を目的にした汚染水の移送などは無駄な作業の可能性がある。
現場の指揮官は、本当に冷却装置の「復旧の可能性」などを信じているにだろうか?
低い可能性に、作業員の「命」を賭けていいのか?
今やるべきことは、
水蒸気爆発を想定し、これを「一号炉に限定」することで、連鎖を防がないといけない。
この前提が正しいなら、瓦礫の処理とか、建屋を覆う布ではなく、
一号炉以外の注水を「一号炉が水蒸気爆発」しても自動または遠隔で行えるようにすることだろう。
さらに、垂れ流されることになる高濃度汚染水を無人あるいは「軍」により処理する方法を確立することだ。
そして、作業員を全員退避させ、水蒸気爆発という「レベル7の緊急事態」に万全の「備え」をすべきだろう。