続アメリカと銃

確かに、道徳的な人々の道徳的要求は、結局反道徳的な勢力を利してしまうという場合があると思う。典型的な例が「禁酒法」だ。
これを一般化すれば、社会学エドウィン・シャーの主張は理解できる。国家による安易な刑罰化に警鐘を鳴らしたと言える。特に被害者なき犯罪の場合、国家による刑罰化、厳罰化はかえって「逆効果」になるということだ。反道徳的であるからといって、犯罪とはいえない。道徳と法律は異なる。

私は、コネティカットの銃撃事件に衝撃を受けた。それが、この文章を書き始めた動機だ。クリスマスを楽しみにしていた小学生が銃弾を何発も打ち込まれるというのは、耐え難い。どう考えても、不条理だ。アメリカは早々に銃規制をすべきだと思った。もちろん、エドウィン・シャーの主張には賛同できないということだ。被害者だらけではないか!!
しかし、アメリカで銃規制を行えば、結局コントロール不能な巨大な闇市場が出来上がり、問題をさらに深刻にさせる可能性がある。
つまり、今のアメリカの状況はまだマシであるのかもしれない。