続アメリカと銃

数論の未解決問題がある。それは、数列の収束に関する問題だ。まず、例えば、10から始める。10は偶数なので、これを2で割る。すると、5になる。5は奇数なので、3倍して1を足す。5*3+1=16。16は偶数なので、2で割って8、8は偶数なので、2で割って4,4は偶数なので2で割って2、2は偶数なので2で割って1.これでおしまい。結局10 16 8 4 2 1という「ジリ貧」の数列が手に入った。では、30だとどうか。
30 46 23 70 35 106 53 160 80 40 20 10 5 16 8 4 2 1
となる。これまた、ブーメランのように1に収束した。
この二つの事実から一挙に一般化してしまう。
つまり、全ての整数は、この操作により1に収束すると予想する。
ほぼ全ての数学者がこれは真だと信じているが、未だに証明されていない。
ここで、少し問題を変えてみる。30から始めてみる。これは偶数なので2で割って15、これは奇数なので3倍して、今度は1ではなく3を足してみる。15*3+3=48 これは偶数なので2で割って24。これを繰り返す。すると
30 48 24 12 6 3 12 6 3 12 6 3となり1には収束せず、循環し始める。
この数列を報酬系閾値のモデルとして考える。すると、中毒に対する別な見方ができると思う。
中毒は、いろいろ努力しても結局また薬物に手を出してしまう。これは、最初の数列のように結局1に収束してしまう。
一方、薬物から抜け出せる場合は、これはよい習慣の循環に対応しているとするのだ。
ダイエットが最初は成功するのだが、徐々に「ジリ貧」状態になり再び過食になるというプロセスをよく記述できている。
奇数の時に3倍して1を足すか3を足すかで収束するかしないかが決まる。
閾値が整数だというのも面白い。離散的なんだろう。人の頭は!
このようにいろいろなモデルを考えるのは、介入ポイントをなるべく増やし、賛成か反対かという前に少し選択の余地つまり「希望」を見出すためである。