続アメリカと銃

「バグる脳」の中で、映画「ジョーズ」によって「人食い鮫恐怖世代」が作り出されたという記述がある。コンセントやコンロより、実際には見たことも、経験したことも無いのに、海岸に出かけるのを躊躇するようになる。
脳は、実際と虚構の区別が苦手なのだ。確かラカンだったか、自分のことを王様だと言い張る狂人と実際の王様との間に区別はないと言っていたような気がする。
一昔前の無意識が脳に置き換わっただけではある。
無意識に否定はないというのも、その線で解釈できる。
「事実」認定とでも言うべきものが、苦手で出来ないと思った方がよさそうだ。
さらに、出来事と出来事との時間差があると無関係と思ってしまう傾向もある。
つまり、因果関係を見出すのが苦手なのだ。
相関関係を因果関係と勘違いをする。
目先の分かりやすさに飛びつき、長期の利害に無頓着。
その日暮らしの気楽なヤツで極めて騙されやすく、また頑固でもある。
狩猟採集生活が長い人類の歴史を思えば、これでさほど問題なかったというかこれでよかった。映画なんかないもんな。
明らかに、農耕が始まってからこのバグは、深刻なものになったと思われる。
苦手な事実とか計算とか因果関係を担う専門家が出現する必要がありそうだ。
そうでないと、自滅したろうと思われる。