バドミントン

バドミントンでスマッシュとヘアピンと言う技がある。スマッシュは言わずと知れた思いっきり叩きつけるショットだ。非常に力づくで男性的でやっつけたとか、うち負かした、撃ち破ったといった言い方になる。男性の自我にふさわしい言葉が並ぶ。
一方ヘアピンはその名の通り女性的で、ネット前でちょこっと上げて相手のネット際に落とす。女性の自我にふさわし優美な曲線を描く。
ヘアピンを決めるのに力は要らない。むしろ、シャトルに「触れる」感じ「タッチ」するぐらいにするべきだ。
この「触れる」について少し考えよう。
よく気が触れるという。あるいは真髄に触れるともいう。触れるとは、ちょっと接触といったことを示していない。ある意味「けがれる」とも類似したニュアンスなのだ。つまり、気が触れるとは、気が「狂気」に触れる事によって、狂気に通電するということ気=狂気と同一化するという現象のことだ。
もっというと、触れるとは力学的現象ではなく、電気的現象と言える。つまりスイッチを入れることなのだ。触れるとはスイッチであると覚えておこう。感電するということだ。
一方スマッシュでは、このような同一化とか通電とは全く無関係だとわかる。そのような内部への侵入というか化学変化は起きていない。あくまでも、相手を力学的に細分化しただけのことなのだ。
まったく「質的」に違う事だとわかる。