介護について7

介護の呪い、あるいは介護に祟られるとしたら、そこには親の無償の愛とそれを受け入れた子がいるといえる。
そこには、愛に包まれた幸福な親子がまず存在する。
まれな、恵まれた、選ばれた人たちといってもいい。
他人が手出しができないのは、ある意味当然だ。
ろくでもない親は、野垂れ死にするだろうし、ろくでもない子供は、これまた介護などで悩むことなど一切ない。
「無償の愛」を信じれたものだけが、この「地獄」を味わう「特権」に恵まれる。
「天国」といっても同じことだ。
社会関係の変化が内面化され、「やましい良心」の独裁が始まる。
終わることの無い、先の見えない苦役、奴隷状態が続く。
もはや、マドンナのような「長男の嫁」は存在しない。
むき出しの親子関係だけが孤立する。
強固な信念の絆が文字通りお互いの手で双方の首を締め上げる。
悲劇は繰り返される。