介護について8

ここで唐突ではあるが、「心中」について考える。
この世で果たせない「絶対の愛」を実現する最後の手段としての心中だ。
江戸時代の近松の描く心中は、封建的な規範や秩序を「無視」する。
当然、社会にとってこの「無視」は「危険」なこととして認識される。
上演は弾圧される。
近松は今で言えば「危険思想」の持ち主、親玉とみなされた。
「介護」における「悲劇」もまた社会秩序にとって、「危険」なこととみなされる。