資本主義と墾田永年私財法

墾田永年私財法が743年聖武天皇により制定される。
自分で開墾した田畑を自分のものにできるという画期的な法律だ。
これ以後、一生懸命開墾に励むことになる。
働いたものが「報われる」仕組みともいえる。
しかし、この制度変更から全てが始まる。
最初は、国家財政の逼迫に対応した臨時的な対策だったと思う。
しかし、ここから「荘園」「武士」「僧兵」「戦国大名」、が生まれる。
まさに、新しい「時代」がこのときから始まるといっていい。
こんな昔の話になぜ注目するのかといえば、明治維新において、官営企業が民間に払い下げされることと類似していると思うからだ。
日本の資本主義の遠い起源を辿ると、この墾田永年私財法に突き当たる。
荘園は、一種の独立国だ。
荘園内では、国家統制からの自由が確保される。
不輸不入権だ。
不輸は租税免除。不入は国司らの立入禁止。
ある意味、私企業にはこの「不輸不入権」つまり減税措置、法的な特例を私企業の「経営の裁量権」として認めている。
つまり、日本の資本主義の展開をみたいならば、その後の墾田永年私財法のその後をみればわかるということだ。
などと、思いついた。